年収1,000万円のレベル感 [後編]

前回からのつづき。

そもそも1,000万円という数字は案外会話に良く出てくると思うんだけど、額面なのか手取りなのか、月収とボーナスの比率は幾つなのか、細かく設定を確認することはあまりない気がする。実体験ということで、ベース3/4, ボーナス1/4で額面1,000万円をちょっと超えるぐらいの年収だった時の生活を振り返ってみる。社会人数年目であれば商社だとボーナスの比率がもっと高いだろうし、外資コンサルであればベースがあと少し高いかもしれない。

額面月収は70万円くらいで、手取りは50万円ちょっと。毎月の生活費は大体こんな感じだった。これに年間額面200万くらいのボーナスが乗る感じ。

  • 家賃:15万円 1LDK、30平米強、築10年ちょっと、港区。
  • 貯金:7万円
  • 光熱費・通信費:5万円
  • 食費・雑費:8万円
  • 交際費:15万円

住む所に関しては、築10年以内の港区・中央区・渋谷区などのタワーマンションは正直厳しい。ただ、ある程度広い1LDKで、六本木や麻布十番からタクシーで1,000円ちょっとで帰れる場所に住むことが可能だ。麻布十番でも1Rであれば10万を切るお得物件はある程度あるが、若干余裕があるためか同程度の収入の友人達はそういったところには住んでいなかった。遅くまで飲んでもちょっとがんばれば歩いて家に帰れたり、躊躇いなくタクシーに乗れるのは数少ない豊かさを感じられる瞬間である。

貯金・光熱費・通信費はまぁほぼ固定費なので説明省略。

食費・雑費は、一人暮らしで無駄な食品を買い込みがちだし、なんとなしにコンビニに寄ってしまう習慣があるとあっという間に十万近くは行ってしまうものだ。ランチ1,000円 x 20 = 20,000円、朝食・夕食 1,500 x 30 = 45,000円、なんかよく分かんないまま雑誌とか買ってるうちに一日500円 x 30 = 15,000円。あっという間に8万円だ。

家賃の他に豊かさを感じられるのが交際費だ。男性独身なら、週に2回くらいある程度のお店でデートが出来るだろう。まぁ、それだけの時間が割ければ、だが。一回のデート費用は2−3万くらい。同僚や同レベルの稼ぎのある女性が相手でない限り、全部奢ることが多かったし、周りもそうしている事が多かった。

このくらいの予算だと、それなりに雰囲気の良い場所でご飯を食べた後バーに移り、そのままタクシーでお持ち帰りというコースが定番になるだろう。まぁ、慣れてくると決まった店でご飯して、六本木TSUTATAにてDVD物色、その後は下のスーパー(ちょっと前はフードマガジンという店であったが今は店名が変わったはず)でワインとツマミを買ってそのままお持ち帰りが既定路線になったが。

一件目でよく使ったのはこの辺のお店。cinadaはその昔まだ西麻布にあった頃はホントよく使った。カップルが結構多いので口説きやすくなるという人もいれば、定番過ぎて恥ずかしくなる人もいるかもしれないが。

悪くない。悪くないが、決して毎日トゥールダルジャンやロオジエに行ける訳ではないし、ワインリストからボトルで頼むときは結構注意深く選ぶ。大事なクロージングではタクシーを使うが、休日デートの移動を全てタクシーにしたりはしないだろう。そういうレベルである。

こうやってみていくと経済力で周りを凌駕する事は難しいかもしれないが、「不自由はしない」のが年収1,000万円なのかもしれない。