欲しかったもの

・20代で年収1,000万円超えの仕事
・多言語を扱いながら海外と交渉してやりたいことを実現するよな毎日
・プールのついたタワーマンションでの優雅な暮らし
・年に数回のビジネスクラスでの出張
・有名企業や士業で活躍する友人たち
・美しい妻
・笑いの絶えない幸福な家庭の風景
・都内一等地の綺麗なオフィスで颯爽と働く自分
・魅力的な女性達と都内の有名レストランで嗜むご飯とワイン

欲しかったものを手にいれればその分、それでは埋められなかったより本質的な心の闇に近づいて、頑張っても満たされなかった事実に向き合うのが怖すぎて、周りとの安易な比較に心の安らぎを求める。もしくはすべて忘れさせてくれるような色恋を求めたり、自分を失うほどお酒を飲んだり。体の芯から満たされたと最後に感じたのは、もう何年前だろう。

彼・彼女に必要以上にイラつかせられるのは、たぶん本当に欲しいものに勇気を出して手を伸ばしている人達だから。

もうそろそろ、点取りゲームから降りる時期が来ているのかもしれない。