同じ景色を見ることは二度とない

ちょっと前に、以前勤めていた会社の同僚から連絡があって大量解雇とのこと。世界レベルで見れば業績は好調だったはずで、しかも日本の利益率はかなり良かったはずなので(採用活動の時に聞きかじったレベルで各国のP/Lを見比べたわけではないが)、先手を打ってかなり大胆な人員整理をしたな、という印象である。

その会社には数年勤めていて、人が好きだったし、そこでできる仕事も大好きだった。最後に仕えたチームは最高だったし、人格的にもプロフェッショナルとしても尊敬できる上司の下で働けて幸福だった。でももうそこに、同じ環境はない。自分が入れ込んでいたものが、そんなにあっけない土台の上に成り立っていたなんて俄かには信じがたかったが、会社は数年位及ぶ激務の対価に最後のレッスンとしてあらゆるものの儚さを教えてくれたのかもしれない。

今の仕事も、会社も、ポジションも、いつなくなってもおかしくない。日本という市場が人口という最大のビジネスドライバーを失って、遅いか早いかの違いでどこもそういう状況に追い込まれるだろう。生き残るには、普遍的な市場・成長する市場で、常に尻尾からできるだけ遠い場所で居続ける努力をし続けるしかない。

もうあの景色を同じメンバーとみることはできなくなってしまったんだ。