都市部で働くyuppieの収入レベル (コンサル、外銀バンカー、マーケター)

前回の記事(年収1,000万円のレベル感[前編], [後編])はそれぞれ5万、2万のPVを得て、色々なところで反応をもらいました。気になったコメントの中に「アメリカン・サイコみたいだな」というコメントがあり、早速観てみました(映画ということも知りませんでした)。

ざっくり説明すると学歴・年収・社会的地位を全て手に入れたルックスも育ちも抜群の男性が自己確信を得られずに殺人に傾倒していくというストーリーです。二時間に満たない映画なので興味のある方は気軽にどうぞ(アメリカン・サイコ)。

一つ得た洞察としては「住居やスーツや行き付けのレストランなど、所謂スペック競争に巻き込まれてそこをよりどころにするほどidentifyが曖昧になってしまう」のだなということと、レベルは違えど自分が感じる空しさというのはそういうところから来ているんだろう、という共感でした。人を殺す動機は全く湧いてきませんが、アルコールへや女性へ依存していた時期があった身としては、闇の正体に一歩近づいた実感を得ました。ご紹介頂いた方、ありがとうございます。

映画の解説も幾つか読んだのですが、所謂都内で働くエリートと言われる人達に素敵なラベルが着いていることを知りました。元々はアメリカ生まれとのことで、日常会話にはあまり出てこない言葉ですが「yuppie - young urban prefessionals - ヤッピー」と呼ぶそうです。(wikipedia)

ついでなので文系で高収入の代名詞として出てくる各業界の代表的企業のサラリーレンジを調べてみました。

*単位は”万円”にしました。

データは全てglass doorのアメリカに於ける数値ですが、こういった多国籍企業は世界レベルで報酬体系が統一されていることが普通なので、今日のFXそのまま使って表にしました。母数は数十から数百とバラツキがありますが、全体像を掴むにはそれなりに使えるのではないかと思います。生のデータからいじりたい方はこちらからどうぞ。

y.o.s.は勤続年数で、それぞれのポジションに着任できる最速と思われる年数です。各社の採用ホームページや就職活動サイト、あとは友人の話等統合しながら標準と思われる数値を入れています。もちろんそれぞれの業界で花形のフロント的職種の数値を想定しています(Investment Banker、経営戦略コンサルタント、マーケター)。

80sとして、「数千から数万の倍率を勝ち抜いて入社して」「過酷な環境を数年勝ち抜いた」後に得られる年収のレンジはグリーンでカラーリングしたセルの辺りに落ち着くんではないんでしょうか。大体20代後半で1,000万円といったところ。30代中盤くらいから、数千万も視野に入ってくるイメージです。アメリカン・サイコの主人公はハーバードを学部・MBAストレートで卒業して27歳でVPとのことだったので、同期の中では相当出世が早い方ではないでしょうか。映画内で描かれる生活も相当豪奢(全く幸せじゃ無さそうですけど)。業界的に景気に大きく左右される部分も大きいと思うので、この三つの企業の中では一番偏差が大きいと思いますが。ゴールドマンのアソシエイトの最小値がかなり小さいように感じましたが、敢えてそのままのデータを使いました。

P&Gって神戸じゃない?ってツッコミも来そうですが、話を聞く限り同業他社や経営企画のポジションで同等かより良い待遇を受けて東京に動くそうも一定数いるとのことで、ベンチマークとしてはありと判断しました。

士業・起業以外だとこの辺が「成功したアラサー都心サラリーマンの上限」かもしれません。

2 responses
こんにちは。 とても参考になる興味深い記事の掲載をありがとうございます。 秀才はまた文才でもある実感しました。 筆者様が得られた洞察の中にスペック競争を拠り所とする危険性を指摘しておられました。 参考までに筆者様が、現在、拠り所、とされているものはなにでしょうか? 仕事へのモチベーションとはなんでしょうか。 私も現在外資系に勤めております。 前職では役不足に感じ転職したのですが。 現在は時より自分の能力の不足を感じており、目線が近視眼的になり日々を守る様に生きていると気付いていたとこです。 筆者様の前回の記事に。 なんのためにこの会社・ポジションにいるのか。 と言うメモがございました。 自分のキャリアプラン。どう描いてるのか。 将来のビションという当たり前に大切なものを喪失すると攻める人生が守る人生に変わるとだと気付かされる一言でございました。 そこで。改めて自分のキャリアプランを考えて見たいと思ったのですが。 キャリアプランを立てて実行されてる方達はなにを拠り所にモチベーションを、維持されているのか、ふと興味に思った次第です。 乱筆失礼致しました。
Kawada sama, コメントありがとうございます。返信がおそくなりすいません。 私は現在動機付け含めキャリア再考中といったフェーズです。 Kawada sanストーリー面白そうなのでぜひ記事にしてください。読みたいです。